裏道の記憶は今でも鮮明

2012.01.07

あれは、もう、10年以上も前のこと。静岡県の伊豆高原というところにある知り合い山荘に1泊で行くツアーを試みたことがあった。その山荘は、何度も車で訪れたことがあるために、国道や県道を使うルートは、すでにわかりきった道行きである。交通量が多いのも知っているので、迂回路がない部分を除き、せめて途中の田方平野ぐらいは、静かな道を探して行きたいと思った。要するに、できるだけ幹線道を使わないサイクリングを試みたわけである。

(関連情報)
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三島の辺りから、裏道に入り、南下する国道の裏手を走って、大仁町(現在は伊豆の国市)付近まで来た。と、それまで山裾伝いに国道と平行していた市道が、国道のほうに復帰るように曲がってゆくので、今度は、その市道からさらに裏道へと折れて、道幅約2mほど、普通乗用車がぎりぎり進入できるくらいの道に入り込んだ。するとその道は、うまい具合に国道と平行しながら、畑と住宅地と山裾に囲まれたポケット盆地のような地形の中を進んで行き、わずか数百mだったかもしれないが、とても印象的な道の記憶を私に残してくれた。ずっとあとで知ったのだが、そこは、田京という地名のところだった。鄙と雅の入り混じったような不思議な地名は、道のありようそのものだったような気がする。修善寺駅を越えてからも、懲りずに裏道を探し、狩野川の支流である大見川の左岸から岸へ、途中で道筋を変えて走った。まあ裏道の探索は、おまけがつきものだから、結局道が尽きて戻ったりするようなアルバイトもあったものの、かなりいいところまで、裏道づくしで走ることができたのだった。まあその日は全体で110kmくらい走ったのだが、そのうち車の少ない、裏道と呼べる部分を走ったのは、たぶんせいぜい40kmくらいと思う。しかし鮮明に今でも覚えているのは、やっぱりそうした部分なのである。




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